昨秋楽天からドラフト指名され、現在高卒新人ながら一軍で活躍するオコエ瑠偉選手に、一年生ながら圧倒的な長打力と打撃センスを見せつけ、現在も本塁打を量産し怪物の名をほしいままにしている清宮幸太郎選手。
昨年夏の甲子園は、東と西それぞれの東京の代表校の中心選手が大きく話題となった大会でした。
また、昨年の夏に甲子園出場がかなわなかった選手の中にも、ドラフト6位で岩倉高校から巨人に入団した巽大介投手など、プロ球団から注目を集めた選手は多数存在しました。
自分の地元や現在住んでいるところにはどんな注目選手がいるのか?その選手はどんなプレーをするのか?
高校野球ファンなら当然気になるところですよね。
そこで今回は、首都・東京の高校に所属するドラフト候補4選手について紹介したいと思います。
メンタルの強さと最速148キロの直球が魅力!二松学舎・大江 竜聖

まずは一昨年決勝進出11度目にして悲願の夏の甲子園出場を果たし、世間の関心を集めた東東京の二松学舎大学付属高校から、エースの大江竜聖投手について紹介します。
大江投手は一昨年夏の甲子園に出場した際、「1年生のリリーフエース」として大きく取り上げられた選手でもあるため、その時の姿を覚えている方も多いかもしれません。
173センチ65キロとけして大きくはない体格ながら、しなやかなフォームから最速148キロの直球、スライダー、カーブ、フォークを操る本格派左腕です。
2年春の選抜甲子園では松山東を相手に5失点し敗れたものの、9回を投げ切って16奪三振と、高いポテンシャルを証明しました。メンタルの強さも大きなアピールポイントであり、昨年秋の都大会決勝では9回のピンチの場面で自己最速を更新する148キロをマークするなど、その強心臓ぶりも非常に印象的な好投手です。
プロ球団からの評価としては「投げっぷりがいい」「球質が重く、三振を取らなくても打者をねじ伏せられる」といったもので、今春の関東大会での登板時にはプロ12球団のスカウトが視察に訪れるなど、非常に注目度が高い投手であると言えるでしょう。
今年は大学生・社会人を始めとして投手に有力候補が非常に多い年だという評価が一般的ですが、今夏のアピール次第では、大江投手が一躍上位指名候補に名を連ねるということも十分考えられます。
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名門校の4番エース!東海大菅生・伊藤壮太

今度は西東京から、名門校・東海大菅生で2年秋から4番エースの座に座る好投手、伊藤壮太選手を紹介します。
伊藤投手は177センチ79キロの体格から最速143キロの直球と切れ味鋭いスライダーを投げ込む右腕で、昨秋の都大会では3戦に登板し20奪三振を記録。また、この大会の一回戦では15回3失点完投の力投を演じるなど、スタミナにも定評がある投手です。
今春の都大会には昨年11月に左ひざを痛めた影響から20番をつけての出場となりましたが、8回無失点の好投を見せケガ明けながら自己最速を更新する143キロを記録するなど、順調な回復と成長ぶりをアピールしました。この試合には阪神のスカウトも視察に訪れており、間違いなくプロ注目の素材と言えるでしょう。
東海大菅生と言えば昨年もエースで四番を務めドラフト候補として注目を集めた勝俣翔貴選手(現国際武道大学)を思い出す方も多いと思いますが、一学年上の勝俣選手と同様、この伊藤選手も投球だけでなく打撃にも大きな魅力のある選手です。
1年秋から5番三塁手としてレギュラーを務めると、都大会決勝で前述の大江投手から3安打2打点、関東大会初戦では勝ち越し2塁打を放つなどの大活躍。更に2年春の選抜では全国の舞台で4番打者として出場しています。
2年夏西東京大会には勝俣選手の後を打つ5番打者として20打数10安打の打率5割をマークし、秋の新チームから4番・エースの座に座っています。
昨年秋の左膝の負傷以来、走り込みも十分にできない中で体幹トレーニングなどに熱心に取り組み、投打でさらにレベルアップを果たした伊藤選手。今後に大きな期待がかかる逸材です。
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二塁送球2.0秒、一塁到達4.1秒!三拍子揃った捕手、日大三・坂倉 将吾

ここまでは投手二人について取り上げましたが、今度は西東京、日大三高校の正捕手、坂倉将吾選手について紹介します。
坂倉選手は右投げ左打ち、176センチ78キロのがっしりした体格を持つ強肩強打の捕手であり、強豪、日大三高校において1年秋から右翼手としてレギュラーを務めました。
2年春の東京大会では準決勝・決勝の大一番でそれぞれ2ラン・満塁本塁打を放つ活躍を見せ、その後の夏予選でも14打数7安打5四死球。特に準々決勝の昭和戦では4打数4安打3打点。中堅120メートルの神宮球場のバックスクリーンに直撃するソロ本塁打を放ち、その長打力を証明しました。
2年秋からは本来のポジションである正捕手の座を手に入れ、捕手としても二塁送球時の到達タイムで2.00秒台を記録。1.8秒台でプロの一流捕手と言われていますので、高校球界では相当な強肩捕手ということになります。
更に捕手ながら打ってから一塁到達までのタイムが4.1秒という脚力を誇り、プロ球界で同じタイムの選手で言えばオリックス駿太選手や今シーズン新人ながら楽天で活躍する吉持亮汰選手などが挙がります。
これらの選手を見ればわかる通り、プロレベルでも十分に武器になりうる俊足を持っているということになります。
長打力・強肩・俊足に加えて外野手としても右翼、中堅をこなした野球センスの高さも評価が高く、プロ注目の坂倉選手。打者の場合は3年夏の大会で大きく評価を上げてドラフト上位指名というケースも過去に多く、坂倉選手の今夏の活躍には要注目ですね。
遠投100メートル!一塁到達3.9秒!「オコエ2世」の呼び声高い関東一・宮本 瑛己

続いては昨年夏の甲子園でベスト4の成績を残した関東第一高校から、1番・センターを務める宮本瑛己選手を紹介します。
宮本選手は177センチ71キロの右投げ左打ちで、遠投101メートルの強肩。今春の選抜では愛知・東邦戦の9回無死一二塁から、東邦の代打の放ったセンター前ヒットに対して素早いチャージをかけると本塁へノーバン送球を見せ、生還を狙った二塁走者を見事本塁タッチアウトに仕留めるというシーンもあり、その強肩を世間に大きくアピールしました。
関東一と言えば昨年夏のオコエ瑠偉選手の活躍が鮮明に思い出されますが、この宮本選手は「オコエ2世」との評価を受けており、上に挙げた強肩に加えて1塁到達まで3.9秒という超高校級の俊足、昨年秋の公式戦を通して5割近い出塁率を残した打撃も強い魅力です。
特にその足に関しては、30メートル走でオコエ選手のタイム(3秒80)を上回る3秒74を記録。
また、中学2年生の時には野球部に所属しながら葛飾区陸上大会で100メートル走3位入賞を果たすなど、野球の枠に限らずとも世代で上位の脚力があります。
レギュラーを獲得したのは2年秋で、この時の都大会では1番を打ちながら9打点を記録。準々決勝では満塁本塁打を放つなど、勝負強さも光ります。また、決勝では前述の好投手、二松学舎・大江投手から2安打(1二塁打)1盗塁の活躍を見せ、チームの優勝に大きく貢献しました。
好投手相手からも長打を放てる積極的な打撃と、大一番で完璧な送球を披露できる強肩と精神面の強さ、高校生の中では群を抜いた俊足の3拍子揃った宮本選手は非常に楽しみな逸材であるといえ、現時点ではプロのスカウトの視察情報などは特に出ていないものの、今後の活躍次第でドラフト指名される可能性も十分にある好選手だと言えるでしょう。
まとめ
梅雨の時期が終われば、今年も東京で球児たちの熱い戦いが幕を開けます。
マスメディアの報道は現在二年生の清宮選手に集まりがちとなるかもしれませんが、今回紹介した4選手をはじめ、今年秋のドラフト候補の選手たちにもぜひ注目してみてくださいね!
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